自治体の業務において、市民の声を反映させるアンケート調査は欠かせません。
しかし、「どのように質問を作ればいいのか」「膨大なデータをどう集計し、報告書にまとめればいいのか」と悩む担当者も多いはずです。
本記事では、自治体アンケートの基本から、説得力のある報告書の構成、作成の手順などを詳しく解説します。集計方法やフォームの比較などもしていますので、ぜひ参考にしてください。
自治体アンケート/リサーチ/レポート作成ならクラリテ
クラリテでは、調査票の作成から送付・回収、データ入力、そして施策に直結するレポート作成まで、アンケート業務をトータルで代行いたします。多くの自治体・官公庁様との取引実績があり、各自治体特有のニーズに合わせた柔軟なカスタマイズが可能です。「設問設計が適切か不安」「回収後の集計・分析が追いつかない」という場合は、まずはお気軽にお問い合わせください。
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アンケートの結果を施策に活かすためには、実施前の準備が重要です。ここでは、説得力のある自治体アンケートの報告書を作成するために欠かせない、実施前の3つの重要プロセスを解説します。
それぞれ見ていきましょう。
まずは「なぜこの調査を行うのか」という目的を言語化しましょう。
「市民の満足度を知るため」といった抽象的な目的ではなく、「次期総合計画における福祉施策の優先順位を決定するため」といった具体的な活用シーンを定義することが重要です。
目的が明確になれば、報告書で強調すべきポイントや、必要な図表の形式も自然と決まってきます。
アンケートの対象者が「全市民」なのか「子育て世帯」なのか、あるいは「特定の施設利用者」なのかによって、分析の切り口は大きく変わります。
報告書で「年代別の意識差」や「地域ごとの課題」を明らかにしたいのであれば、属性を細かく設定し、適切に回収できるような対象選定を行う必要があります。
ターゲットが偏ると、報告書の結果が市民全体の総意として扱えなくなるため注意が必要です。
報告書のデータに説得力を持たせるためには、統計学的に意味のあるサンプル数を確保しなければなりません。
対象となる全住民数に対して、許容できる誤差の範囲を考慮し、目標とする回収数をあらかじめ計算しておきましょう。
サンプル数が極端に少ないと、一部の極端な意見に結果が左右され、施策の根拠としての信頼性が揺らいでしまいます。
回答者がストレスなく、かつ正確に回答できる自治体アンケートの作成方法を解説します。
以上の3つのステップに沿って、論理的で分かりやすいアンケートの作成を目指しましょう。
自治体のアンケートを作る際は、いきなり質問を書き始めるのではなく、まず報告書に載せたい「結果のイメージ」を書き出します。
例えば「施策Aへの賛成度」を知りたいなら、単純な賛否だけでなく、その理由も選択肢に含める必要があります。また、クロス集計を行うために必要な「居住地区」や「年代」などの属性項目も、この段階で漏れなくリストアップしましょう。
報告書をまとめるために必要な情報から逆算して項目を設計することで、分析時の「データの不足」を防ぐことができます。
自治体のアンケートでは、回答を誘導するような聞き方は避けなければなりません。
「〇〇事業は市民から高く評価されていますが、あなたはどう思いますか?」といった質問は、客観性を損なう要因となります。また、行政用語や専門用語を排除し、誰にでも意味が理解できる言葉で問いかけることが重要です。
選択肢についても、「どちらともいえない」といった中間選択肢を置くかどうかなど、中立性を意識して慎重に言葉を選びましょう。
質問の順番は、回答者の思考を整理する重要な要素です。まずは回答しやすい「現在の利用状況」などの事実確認から入り、徐々に「満足度」や「将来への期待」といった意識に関する問いへ移行するのが基本です。
また、関連性の高い質問をグループ化し、一貫性のある流れを作ることで、回答者の負担を軽減できます。
論理的な流れに沿った回答は矛盾が少なくなり、後の集計・分析作業の精度を大きく向上させます。
自治体アンケートに使うツールは、「どのように配布し、どのように集計するか」という実務フローに合わせて選ぶのが正解です。ここでは、以下の3つのツールを紹介します。
それぞれのツールの特性を理解し、今回の調査に最も適したツールを選択しましょう。
レイアウトの自由度が高いWordは、紙で配布・回収するアンケートに最も適しています。
自治体では、インターネットを頻繁に利用しない高齢者層をターゲットにする場合や、全世帯へ郵送配布する場合に多用されます。
文字の間隔や図表の配置を細かく調整できるため、公的な文書としての信頼感を与えやすく、読みやすさを重視するならWordがおすすめです。
集計作業を職員が手作業で行うことを前提とするなら、Excelでアンケートを作成するのが効率的です。
回答をそのままセルに入力していくことで数値データとして扱えるため、手入力の際も計算ミスが少なく済みます。
また、報告書作成に必要な棒グラフや円グラフへの変換もスムーズで、100〜200サンプル程度の小規模なアンケートであればExcelの利用がスピーディーです。
最近では、Webフォームを活用する自治体も増えています。Webフォームの最大の利点は、回答が送信された瞬間にデータ化されるため、データ入力の手間が一切かからないことです。
若年層の回答率向上や、リアルタイムでの進捗確認、スピーディーな中間報告の作成にも大きく貢献します。
ただし、無作為抽出調査などでは郵送とWebの併用が必要になるケースもあります。
一般的な自治体の調査報告書は、大きく分けて「概要」「詳細」「考察」の3部構成で作成すると、論理の流れがスムーズになります。
それぞれの項目で記載すべきポイントを確認していきましょう。
報告書の冒頭には、必ず調査の前提条件を記載します。
いつ、誰に、どのような方法(郵送・Web・窓口配布など)で調査を行い、どれだけの回答が得られたのかを明記することで、データの妥当性を証明します。
特に「回収率」は、その調査結果がどれほど市民の声を代表しているかを判断する重要な指標です。過去の調査がある場合は、前回との回収率の比較を載せるのも有効です。
報告書のメインとなるセクションです。
基本的には「1設問につき1グラフ」の形式で、視覚的なグラフとそれを説明する解説文をセットで配置します。
解説文では「〇〇%が賛成と回答した」という事実に加え、「30代以下では反対が半数を超えている」といった、グラフから読み取れる特徴を端的に指摘します。
主観を入れず、まずは客観的なデータの動きを整理することに徹しましょう。
データから何が言えるのか、自治体として今後どのような施策を検討すべきかをまとめます。
例えば「満足度は高いが、制度の周知不足が課題である」といった分析結果から、「広報誌やSNSを活用した情報発信の強化が必要」という具体的な提言に繋げます。
考察と今後の課題のセクションこそが、意思決定者が最も重視する部分であり、調査を次の施策に活かすための橋渡し役となります。
ここでは、自治体の報告書作成で必須となる、説得力を高めるための3つの集計・分析テクニックを解説します。
順に見ていきましょう。
単純集計は、すべての設問において「どの選択肢に何人が回答したか」を数え上げる作業です。
Excelを使用する場合、COUNTIF関数やピボットテーブル機能を使って、各選択肢の「度数(人数)」と「構成比(%)」を算出します。報告書では、この数値を基に円グラフや棒グラフを作成し、「市民の○割が現状に満足している」といった全体像を記述します。
【COUNTIF関数】
=COUNTIF(範囲, 検索条件)
検索条件や範囲に一致するセルの個数を数えるための関数
集計の第一歩として、回答に矛盾がないかのデータクリーニングを兼ねて行うのが実務のポイントです。
クロス集計は、2つ以上の設問を掛け合わせ、属性別の傾向を分析する手法です。
具体的には、Excelの「フィルター」機能を使って特定の属性(例:20代のみ)を絞り込み、その中だけで単純集計を行います。「20代はSNSでの情報発信を求めているが、70代以上は広報誌を重視している」といった、単純集計では見えないターゲットごとのニーズの差を数値化できます。
報告書にクロス分析を加えることで、施策の優先順位を判断する強力な根拠となります。
自由記述欄の「生の声」を、グラフ化可能なデータに変換する作業がアフターコーディングです。
具体的には、まず回答一覧を眺めて「防犯への不安」「公園の遊具不足」といった共通するテーマを数種類決めます。次に、各回答に対して該当するコードをExcel上で割り振っていき、最終的にそのコードごとの件数を集計します。
「単なる意見の羅列」だった自由記述を、「市民の要望の○%は交通安全に関するものである」といった定量的なグラフとして報告書に掲載できるようになり、説得力が向上します。
自治体アンケートの目的は、単に数字を並べることではなく、市民の真実味ある声を「施策の根拠」へと昇華させることです。
しかし、特に紙媒体での調査を行う場合、回収した後の「膨大な回答データの入力」が懸念点となります。職員の皆さんが分析や施策立案といった、本来注力すべき業務に集中するためには、データ入力の外部委託を検討するのも一つの手です。
クラリテでは、自治体アンケートの企画・設計から、データ入力、高度な分析をともなう報告書作成まで一貫してサポートしています。 専門スタッフが、次年度の計画策定や予算編成にそのまま活かせる高精度なデータを提供いたします。
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